〈 目次 〉
レジェンドオブラウンドとは
・準伝説、伝説、幻ポケモンのみが使用可能
・シングルバトル
・ダイマックス(以降DM)あり
環境予想
注目した点は以下の4点。
①ダイジェット
この大会ではDMが使用可能。
これにより攻撃しながら素早さを上げれるダイジェットをタイプ一致で打てるポケモン、そして飛行技を半減で受けれるポケモンの評価は高い。
特にタイプ一致で打てる伝説ポケモンのイベルタルやホウオウ、そして飛行技を半減で受けれてDMポケモンに対して威力2倍のダメージを与えられる巨獣斬を使用できるザシアンの使用率は高いと予想している。
逆に飛行技が弱点のポケモンは評価が低い。
②欠伸
相手のDMポケモンに対してアドバンテージを取りやすい技。
このルールにおいて使用できるのはユクシーのみ。
攻撃対象の上昇した能力を全て奪ってから攻撃する技。
相手のDM技や積み技で能力を上げて全抜きを狙う動きに対して非常に強いためこの技を打てるマーシャドーのみ。
上記のマーシャドーは襷持ちが多いと予想しているため、積みアタッカーで全抜きを狙う場合は重宝する。
ルギアのマルチスケイルやルナアーラのファントムガードも潰すことができる。
HDに厚く振ったグラードン、頑丈により行動保障のあるレジロック、プリズムアーマーにより弱点を突かれた際の威力を軽減できる日食ネクロズマ、耐性が優秀なディアルガが候補。
これらを踏まえた上でのTier表がこちら。
S…対策必須
A…Sほどではないが対策すべき
B…SやAほどではないがスペックが高い
C…差別化できる点があるため構築次第では入りそう
D…Cほどではないが可能性がありそう
E…採用理由を見い出せない(上位互換がいる等)
※並びは図鑑番号順
(ガラル三鳥はめんどくさかったので最後)
構築
構築完成まで
〈 コンセプト 〉
楽して勝ちたい
〈 主軸決定まで 〉
1.レジエレキ+白バドレックス
まず最初に注目した並びがレジエレキと白バドレックスである。
使用可能なポケモンが103匹いる中で電気技を半減以下で受けられるポケモンは36匹と4割以下なので構築によっては初手からDMして命の珠とトランジスタによる火力補助を受けながらライジングボルトを媒体とした威力140のダイサンダーを打っているだけで勝てるのではないかと考えた。
しかしレジエレキはグラードンやランドロスといった地面タイプには為す術もない。
そこで地面タイプと対面してしまったら壁を張って地面タイプに強い白バドレックスの全抜き態勢をサポートするという第2のプランを取り入れられるようにした。
〈使ってみて感じたこと〉
〇レジエレキの初手DMによる奇襲が決まるとそのまま勝利に繋がりやすかった。
✕レジエレキが禁伝のDMと対面すると殴り負ける。
✕白バドレックス展開時に全抜きするために高速移動をしなければいけないこと、そして特性が発動しないと火力が上がらないことが試合に響くことが多かった。
また実際に対戦したことで考察段階では強いと思っていた欠伸やステルスロックといった補助技を打っている余裕があまりなく、そのためだけにわざわざパワーのない準伝説ポケモンを採用する意味がないと感じた。
例 レジロック、ユクシー
初手DMで試合の主導権を握ること自体は悪くなかったがそのDMアタッカーが有利不利が激しいポケモンであったこと、そして電気タイプのレジエレキが本来有利対面のはずのカイオーガにDMされると返り討ちに合うといったように準伝説ではスペック不足であることを痛感した。
そこで技範囲が広く、弱点の少ないディアルガで初手DMをしてアドバンテージを取ることにした。
DMしたディアルガは対面性能が非常に高いためそう簡単には突破されず、たとえ突破されたとしてもHP100 B120 D100といった高耐久の鋼タイプであることからダイジェットで素早さを上げられながら倒されて後続も為す術がないといった最悪の盤面を作られにくい。
そのため後続にDMせずともDMポケモンと互角に渡り合える火力を持つザシアンを控えておくことで、たとえディアルガが倒されてもザシアンで縛れる状況を作り出しやすい。
しかしこの2匹だけでは以下のような問題点がある。
①黒バドレックスの黒の嘶きを発動されると止めることができない
②どちらも鋼タイプであることから地面技の一貫性がある
これらの問題点をカバーするために黒バドレックスに強く、地面技を無効化できるイベルタルを採用した。
〈 補完枠について 〉
残り3枠については以下の理由で採用した。
第2の非DMアタッカー。
ザシアンよりも早く、1匹でも倒せば全抜きを狙えるほど強力なスペックを持つ。
また光の壁やリフレクターで後述の日食ネクロズマのサポートも行える。
DMせずともザシアンに強いポケモン。
壁+プリズムアーマーで安定して竜舞を積むことで全抜き態勢を作れる。
またダイスチルやダイアースを打つことで自身の耐久力を補強できるので朝の日差しや月の光を連打することで相手のDMターンを枯らしたり、詰め筋としても使える。
電磁波やステルスロックで後続をサポート。
構築全体で厳しい初手DMイベルタルに対して電磁波による麻痺でDMターンを枯らす役割も担っている。
たとえ動かれたとしても岩石封じで素早さを下げながら削りを入れることでダイジェットをされても後続が上を取れる状況を作り出す。
個体紹介
※ H…HP A…攻撃 B…防御 C…特攻 D…特防 S…素早さ
特性 :プレッシャー
持ち物 :命の玉
性格補正:C↑ A↓
努力値 :B4 C252 S252
実数値 :175-×-141-222-120-142
技構成 :時の咆哮、徹底光線、吹雪、大地の力
〈調整意図〉
S … 準速(ミラー意識)
〈準速採用の理由について〉
素早さ90族はこのルールにおいて激戦区である。
特に起点作成のグラードンに対して上から珠ダイアイスで何もさせずに倒したり、ディアルガミラー時に相手よりも先にダイアースを2回打った方が殴り合いに強いため準速での採用にしている。(最速では火力が心許ない。)
ザシアン
特性 :不撓の剣
持ち物 :朽ちた剣
性格補正:A↑ C↓
努力値 :H252 A36 S220
実数値 :199-214-135-×-135-196
技構成 :巨獣斬、インファイト、ワイルドボルト、電光石火
〈調整意図〉
HB ... 陽気マーシャドーのシャドースチール+影打ちを確定耐え
S … 最速125族抜き(マーシャドー意識)+1
〈素早さラインについて〉
このルールでザシアンを使う上で意識すべきはマーシャドーだと考えている。
耐久力を薄くすればシャドースチール+影打ち、耐久に厚く振って上を取られればシャドースチール2発で突破されかねない。
そこでシャドースチール+影打ちを耐えられるようにHPを極振り、素早さを最速マーシャドー抜き(素早さ実数値195)に調整するのが妥当である。
そのためそれを意識したザシアンと対面した際に先に動けるように更に素早さを振った。
しかしザシアンミラーで先に動かれて負けることが何度かあったので陽気HS極振りで良かったかもしれない。
特性 :ダークオーラ
持ち物 :突撃チョッキ
性格補正:C↑ A↓
努力値 :H44 B196 C44 D36 S188
実数値 :207-135-140-172-123-143
技構成 :イカサマ、バークアウト、デスウィング、不意打ち
〈調整意図〉
H … 16n-1
HB … 意地っ張りザシアンのA+1巨獣斬確定耐え
陽気マーシャドーのインファイト+岩石封じ確定耐え
HD … 臆病黒バドのC+1珠ダイフェアリー(100)確定耐え
S … 準速90族抜き(ディアルガ、グラードン意識)
〈持ち物について〉
総耐久力を上げるために突撃チョッキを持たせていたが、特殊耐久力を上げるメリットがスカーフカイオーガくらいしかなかったので食べ残しやゴツゴツメットを採用するのもありかもしれない。
黒バドレックス
特性 :人馬一体(黒の嘶き+緊張感)
持ち物 :気合いの襷
性格補正:S↑ A↓
努力値 :B4 C252 S252
実数値 :175-×-101-217-120-222
技構成 :アストラルビット、サイコショック、光の壁、リフレクター
※なお王冠使い忘れにより実際に使用した個体の実数値(HB)は多少下がっている。
王冠使い忘れてた() pic.twitter.com/fFYw1Otx0y
— あん (@ankou_0818) 2021年9月12日
日食ネクロズマ
特性 :プリズムアーマー
持ち物 :弱点保険
性格補正:B↑ C↓
努力値 :H252 B140 S116
実数値 :204-177-181-×-129-112
技構成 :メテオドライブ、地震、竜の舞、朝の日差し
〈調整意図〉
S … S+1で最速100族抜き(パルキア意識)
S+2で最速151族抜き(フェローチェ意識)
〈努力値振りについて〉
竜の舞を採用した日食ネクロズマについて知識不足で火力ラインや耐久ラインの目安がわからなかったので素早さラインに焦点を当てて努力値を振り、余りを物理耐久に振ることで役割対象のザシアンに強く出れるようにした。
特性 :日照り
持ち物 :ヤチェの実
性格補正:A↑ C↓
努力値 :H252 A12 D244
実数値 :207-189-160-×-141-110
技構成 :地震、岩石封じ、電磁波、ステルスロック
〈調整意図〉
HD … 控えめディアルガの珠ダイドラグーン(150)確定耐え
〈ヤチェの実について〉
初手DMアタッカーとして注目を浴びているディアルガの珠ダイアイスで簡単に飛ばされてしまうため氷技を半減で受けられるヤチェの実を採用している。
選出パターン
1.++or
初手DMで圧をかける基本選出。
ディアルガの初手DMで数的有利を取って試合の主導権を握る。
2.oror++
壁やステルスロックの展開、または電磁波やバークアウトで相手を弱体化してから日食ネクロズマの竜舞による全抜き、もしくは詰めを狙っていく。
日食ネクロズマが苦手なマーシャドー、黒バド、イベルタルのうち最低でも1匹はほとんどの構築にいるため選出率は低かった。
3.++
ステルスロックや電磁波で有利な盤面を作り、後発の2匹を通していく。
選出パターンの中でも選出率、勝率ともに一番高かった。
基本選出ではどうにもならない初手DMイベルタルに対して電磁波+岩石封じ、後発のイベルタルや襷持ちをステルスロックを撒くことでザシアンの巨獣斬圏内に入れたり、ステルスロックによる削りでスカーフカイオーガの潮吹きをHP満タンのザシアンが耐えられるようになる。
グラードンミラーが起きた場合はステルスロック+岩石封じをしながら削ることでディアルガのダイアースの起点を作ることで後発のどのポケモンとも殴り合える状況を生み出せる。
厳しい相手
・ルギア(瞑想+アッキの実)
・ジガルデ(身代わり+食べ残し)+電磁波枠
これらに対する回答がほぼないためマッチングした4戦のうち3戦は負けている。
残りの1戦は電磁波を撒くであろうグラードンをDMディアルガのダイアイスで上から倒したことで身代わりを貼る余裕を与えなかった。
結果
最高レート 1731 最終レート 1731
最終順位 61位
勝敗 25勝 9敗(勝率:73.5%)
最後に
ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
普段シングルバトルをやらない私が2度目の公式大会最終2桁を取れたのは環境に適応していて機械的な立ち回りだけで済む構築を作れたからだと自負しています。
とは言ったものの使用率が低いだろうと対策を切ったルギアやジガルデが最上位で使われており、まだまだ考察不足だったと痛感もしています。
今の結果に満足することなくもっと精進していきます。