構築経緯
伝説枠決定まで
ホウオウは伝説ポケモンとしては貴重なフェアリー耐性を持ち、たとえゼルネアスのジオコントロールを許してしまったとしてもムーンフォースを2発耐えるほどの特殊耐久力を持っている。またゲンシグラードンのメイン技である断崖の剣や大地の力が無効、炎のパンチや噴火を半減で受けきることができるためグラゼルネの並びに比較的強く出れるのが同じくゼルネアスに強い伝説ポケモンであるソルガレオや日食ネクロズマとの大きな違いである。
しかしあくまでも強く出れるのはタイマンに限った話でゼルネアスをすぐに処理できるわけではない。そのため隣が次々と倒され、1vs2の状態となってしまうといくら耐久力があったとしても削りきられてしまう。
そこで敵の攻撃をただ受けきりホウオウで詰ませるよりも、攻撃を受けている間に追い風で素早さを操作したり、聖なる炎で火傷を狙って相手の火力を削いだりと隣のポケモンが戦いやすいようにしつつ自身も攻撃に参加することの方が強いと考えた。
もう一つの伝説枠は拘り鉢巻を持たせることで圧倒的な破壊力を持ち、特性によって発生する乱気流で自身だけでなくホウオウの耐久力も上げることができるメガレックウザにした。
取り巻き決定まで
1.
オーガレックの並びに強いカプ・コケコ、伝説枠が両方とも物理型であり威嚇を撒かれやすいためキリキザン、威嚇と猫騙しが使えてサイクル戦に強いガオガエン、カイオーガに強く、トリックルームの対策や終盤の詰めにもなるナットレイ。
《 使用感 》
◎ ガオガエンの威嚇でホウオウの追い風をサポートしながら、蜻蛉返りでメガレックウザを無償降臨する流れが強かった。
◎ メガレックウザとキリキザンを並べることで相手が威嚇を撒いてくればキリキザンの負けん気が発動、そうでなければ拘り鉢巻メガレックウザで粉砕ができるためどちらに転んでも強かった。2引きともS操作技を持っていないが、先制技を持っているため切り返しが可能。
× カプコケコがあまりに重い。追い風展開ができないとメガレックウザが上からフェアリーZを打たれて落とされ、ホウオウも弱点を突かれてしまう。
2.
in → out →
コケコに悩まされたため避雷針により電気技から味方を守り、フェアリー技も半減で受けれるトゲデマルを投入。それに伴って使いづらくなったカプコケコ、そして鋼タイプが3匹もいるためキリキザンを抜いた。カプコケコが抜けたことでドーブルやモロバレルのキノコの胞子が厄介になったためミストフィールドを貼れるカプレヒレを入れた。
《 使用感 》
◎ カプコケコへの対応が楽になった
× サポート寄りのポケモンが多くなったことでアタッカーであるメガレックウザの負担が大きくなった
× トゲデマルが対カプコケコには強く出れるもののそれ以外だと使いづらかった。本来ならほっぺすりすりで麻痺にする動きが強いのだろうが、ホウオウの聖なる炎で火傷にして物理アタッカーの火力を削いだ方が良い場面が多くあまり魅力に感じなかった。
3.
in → out →
トゲデマルの対カプコケコ性能は高かったもののサポート寄りであり、アタッカーであるメガレックウザの負担が大きくなったためメガレックウザが倒された=負けとなることも多々あった。そこでカプコケコに強く、威嚇で味方の耐久力を上げつつもアタッカーとしての役割をこなせる霊獣ランドロスを入れた。またカプレヒレをサポート特化から攻撃もできるように型を大幅に変更した。
《 使用感 》
◎ 攻撃の手段が増えることで追い風後の制圧力が増した。
◎ カプレヒレはサポート特化が主流なので奇襲性能が高かった。
× カイオーガ対策のナットレイが選出できない。選出したとしてもガオガエンが邪魔すぎて目立った活躍がなかった。
4.
in → out →
役割の薄かったナットレイを抜き、威嚇の牽制をすることができて、追い風やトリルとS操作技が豊富でなおかつ特性により高い耐久力を持つルナアーラにも強いキリキザンを再び入れて今に至る。
個別解説
ホウオウ
持ち物 : バンジの実
性格 : 意地っ張り
特性 : プレッシャー
実数値 : 212 - 165 - 132 - × - 174 - 122
努力値 : H244 B172 S92
技 : 聖なる炎、ブレイブバード、追い風、自己再生
※努力値調整
H … 4n (カプZで混乱実発動)
HB … 補正無し鉢巻メガレックウザの画竜点睛確定耐え
S … 追い風下でスカーフ最速95族抜き (テテフ意識)
この構築の核。追い風でメガレックウザのサポートをして、最終的にはこのポケモンで詰めていく。
技は聖なる炎、追い風は確定。聖なる炎は命中率が95%と若干不安要素があるため弱った相手を確実に仕留めるために命中安定のブレイブバード、詰める上で回復技は必要なので自己再生。羽休めにすることでミストフィールドの恩恵を受けることができるため回復しつつ、キノコの胞子で眠らなくなるという動きができるが、それよりも地面技を受けないことの方が大きいため自己再生にした。
聖なる炎は相手を50%の確率で火傷にするため、例え炎技が半減であっても火傷狙いで物理アタッカー(ゲンシグラードンを除く)に積極的に打った。また聖なる炎はお世辞にもカプレヒレと相性が良いとは言えないが火傷にさせたい相手がメガレックウザやメガボーマンダ等浮いてるポケモンが多かったためあまり気にすることはなかった。
レックウザ
持ち物 : 拘り鉢巻
性格 : 意地っ張り
特性 : エアロック(デルタストリーム)
実数値 : 181 - 222 - 110 - × - 110 - 147
( 181 - 255 - 120 - × - 120 - 167 )
努力値 : H4 A252 S252
技 : 画竜点睛、神速、噛み砕く、地震
※努力値調整
S … メガ進化後最速99族抜き (ゼルネアス、イベルタル意識)
メガ進化+拘り鉢巻というとんでもない火力が出せる。ホウオウで詰める際に障害となる相手を粉砕する。
技は画竜点睛、神速は確定。残りの枠は無振りルナアーラをファントムガード込みで一撃で倒せる噛み砕く、全体技が欲しかったので地震を採用。ホウオウや霊獣ランドロスと浮いてるポケモンが他に2匹もいるため地震で拘っても味方を巻き込むことが少なくてすむ。しかし相手のゲンシグラードンのドラゴンクロー警戒で威嚇を撒くためにガオガエンを出して地震の巻き添えにすることが何度かあったw
カプレヒレ
持ち物 : フェアリーZ
性格 : 控え目
特性 : ミストメイカー
実数値 : 176 - × - 136 - 160 - 151 - 107
努力値 : H244 B4 C244 D4 S12
技 : ムーンフォース、熱湯、自然の怒り、守る
※努力値調整
H … 4n (元々混乱実を持たせた運用を考えていたため)
何度も型を変えたポケモン。初期は混乱実を持たせて凍える風や自然の怒りでサポートに徹する型だった。しかしメガレックウザの負担を少しでも減らせるように攻撃にも参加できるように型を変更し、ガオガエンを一撃で倒せる水Zを持たせたり、拘り眼鏡を持たせたりと試行錯誤した結果、HDに厚く振り剣舞をしてくるメガレックウザを高乱数で倒せるフェアリーZに落ち着いた。
カプレヒレの自然の怒りからホウオウの攻撃で落とすという動きが綺麗だと思い、Sをホウオウ+1にしていた時期もあったが、ホウオウが耐久に振り切ってるのもあって残りの5割を削ることができず混乱実が発動するということがあったのでHCベースにした。
霊獣ランドロス
持ち物 : 拘りスカーフ
性格 : 意地っ張り
特性 : 威嚇
実数値 : 167 - 205 - 110 - × - 109 - 142
努力値 : H20 A176 D68 S244
技 : 地震、岩雪崩、馬鹿力、蜻蛉返り
※努力値調整
H … 8n - 1(毒、宿り木のダメージ最小)、6n - 1(ゴツメのダメージ最小)
HD … 補正ありカプテテフのサイコフィールド下のサイコキネシスを確定耐え、補正無しメガボーマンダのハイパーボイス(ダブルダメージ)を高乱数2耐え(96.9%)
S … 拘りスカーフを持たせることで最速140族抜き(メガミュウツーY意識)
カプコケコに強く、アタッカーにもなるため採用された。ゲーム序盤では上から蜻蛉返りでガオガエンを出して2回威嚇を撒くことで物理耐久力の低いホウオウや画竜点睛で下がったメガレックウザの耐久力をカバーしたり、終盤では弱りきった相手を一掃したりと活躍した。
使っていた当初はAS極振りにしていたが拘りスカーフカプテテフの前に上からサイコキネシスを打たれて倒されてしまうため耐久に少し振ることにした。
メガレックウザ同様浮いてるポケモンが多いため地震が打ちやすかった。
キリキザン
持ち物 : 気合いのタスキ
性格 : 意地っ張り
特性 : 負けん気
実数値 : 141 - 194 - 120 - × - 90 - 122
努力値 : H4 A252 S252
技 : 叩き落とす、アイアンヘッド、不意討ち、守る
物理アタッカーが多いためガオガエンや霊獣ランドロスで威嚇を撒かれると非常に厄介である。そのため威嚇持ちの牽制枠として採用。先制技の不意討ちを使えるため相手にS操作をされても圧力をかけることができる。
持ち物や技はテンプレ通りで、気合いのタスキを盾に行動回数を稼いで相手を削っていく。
ガオガエン
持ち物 : フィラの実
性格 : 慎重
特性 : 威嚇
実数値 : 200 - 135 - 115 - × - 154 - 80
努力値 : H236 B36 D236
技 : 叩き落とす、蜻蛉返り、横取り、猫騙し
※努力値調整
H … 4n(カプZで混乱実発動)
HD … 補正なしゼルネアスのジオコン後ムーンフォース確定2耐え
ホウオウやメガレックウザの動きを補助したり、威嚇でパーティー全体の耐久力を上げたりする。
ホウオウが炎技を持っているため炎技であるフレアドライブを入れる必要がなくなったので相手の追い風やワイドガードを奪える横取りを採用した。
選出パターン
基本選出
先発:+oror
後発:+oror
ホウオウが苦手な相手やトリックルーム展開が予想される場合
先発:+
後発:+oror
最後に
ホウオウレックは世界大会にも一定数いるくらいポテンシャルはあるのでまだまだ可能性を秘めていると考えてます。同じくホウオウレックの並びを考えてる方や次世代でもGSルールがあったときのためとして簡単ながら書かせていただきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。